炎上しているプロジェクトに外部が入るとき、最初の72時間の動き方がその後を決めます。間違った初動は、現場の信頼を失い、プロジェクトをさらに悪化させます。私たちが2018年から積み上げてきた緊急介入の経験から、最初の72時間にやるべきことと、やってはいけないことを整理します。
最初にやること:現状把握ではなく問題の構造把握 ¶
「何が遅れているか」を把握しようとするコンサルタントが多い。しかし炎上プロジェクトでは、表面的な遅れの下に構造的な問題があります。最初の24時間は、プロジェクトマネージャー、主要メンバー、ベンダー担当者それぞれに個別インタビューを行います。全員に同じ質問をして、答えの違いを見ます。答えが違う部分に、問題の構造があります。
やってはいけないこと:すぐに解決策を提示する ¶
外部が入った初日に「こうすれば解決できます」と言うコンサルタントがいます。これは現場の信頼を一瞬で失います。現場は「何もわかっていない人間が来た」と判断します。最初の72時間は、聞くことに徹します。解決策の提示は、問題の構造を把握してからです。私たちは初動3日間で提言を出したことは一度もありません。
スコープの全量を可視化する ¶
炎上プロジェクトの多くで、スコープが口頭で変更され続けています。誰も現在のスコープの全量を把握していない。最初の72時間の重要な作業の一つは、現在のスコープを文書化することです。ドキュメント、メール、議事録を掘り起こし、スコープの変更履歴を時系列で整理します。これだけで、問題の半分が見えることがあります。
経営陣への最初の報告:選択肢を提示する ¶
72時間後の経営陣への報告では、「現状」と「選択肢」を提示します。「このプロジェクトを続けるか、止めるか」という選択肢を含めることを恐れないことが重要です。続ける場合の条件、止める場合のコスト、どちらも正直に提示します。経営陣が最も困るのは、情報が不足した状態で判断を迫られることです。
現場との信頼関係を72時間で作る ¶
緊急介入の成否は、現場との信頼関係にかかっています。現場のメンバーは「また外部が来て、自分たちのせいにされる」と警戒しています。この警戒を解くために、私たちは最初から「問題を探しに来たのではなく、一緒に解決しに来た」という姿勢を言葉と行動で示します。具体的には、現場の言葉を使い、現場の論理を尊重し、現場の判断を否定しないことから始めます。
炎上プロジェクトへの介入は、スピードと慎重さの両方が必要です。初動を間違えないために、私たちは緊急介入のプロセスを標準化しています。依頼から5営業日以内に初回アセスメントを実施します。